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歯は抜かなければだめなのでしょうか?その2

 では、ボーダラインケースで抜歯治療と非抜歯治療、具体的にはどのように治療結果が変わってくるのでしょうか。

 大きく分けると2点違いがあると私は考えています。ひとつは前章での目的としてあげた横顔の問題です。例えば、歯並びを治し咬み合わせを治すだけなら非抜歯でも治療が可能ですが、突き出た口元を治したいという場合は抜歯が必要になるということはよくあることです。この場合、口元を治したいかどうかが抜歯選択の基準となります。

 すなわち口元を改善したいので抜歯をする。口元は変わらなくてよいので抜歯をしない。口元が悪くなっても抜歯をしない。今すでに良好な口元なのでこれをキープするために抜歯をする。この4パターンになると思います。抜歯非抜歯のボーダーラインケースであればこの4パターンから患者さんに選んでいただくということになりますが、個人的には口元が綺麗な人は悪くしないほうがよいと思うし、悪い人は綺麗にできればと思います。

 もうひとつは、安定性の問題です。ボーダーラインケースで非抜歯治療を行なう場合歯を抜かずに歯を並べる場所を確保する必要がありますので、前歯を唇の方に倒していく場合があります。この場合は横顔でいうと改善は絶対に期待できません。しかし横顔が良くできないというデメリットだけではなく、歯並びがまた元に戻っていく安定性にも影響があります。

 2014年冬に公益社団法人日本臨床矯正歯科医会の症例発表ケース約300弱の分析を行なう機会に恵まれました。この際前歯が1mm以上唇の方に倒して治療している非抜歯の治療では、後戻りが出やすいということを示唆する結果が出ました。たった1mmでもこういう結果が出てしまうわけです。これも先生によっていろいろなお考えもあるとは思いますが、私自身は特に下の前歯を前方(唇の方)に倒して治療するのは原則的には避けたいと思っています。これは横顔がよくならない(もしくは悪くなる)ことと術後の安定性のふたつの理由です。また前歯より後ろの方の歯をむやみに広げる治療が良い結果とならないことは、先にも触れたとおりです。

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