みえる装置。見えにくい装置。その2

 一方で、透明なマウスピースを使って動かしていく方法があります。これはここ10~15年くらいで普及してきた方法です。これはひとつのマウスピースを2週間程度いれておき、それで大体歯が0.25mm程度動きます。2週間毎に新しいマウスピースをいれて少しづつ歯を動かしていきます。これは症例を選べばそこまで悪い方法ではありません。

 この方法が出てきた時は我々矯正医は革命的な方法だと感じました。でも日本に入ってきて15年程度経過しましたが、従来の方法であるブラケットを使う方法が無くなってしまったわけではありません。これは多くの矯正医がこのマウスピースを使う方法では、ブラケットを使う方法と全く同様に治るとは思っていない証拠だと思います。

 このリンガルブラケットとマウスピースという二つの装置は、決して悪い方法ではありません。ただ、歯を動かす際の歯への力のかかり方が、表のブラケットとは違います。その結果得意な症例、苦手な症例が出てきてしまいます。そこの見極めが非常に大切ではないかと思っています。

 歯を並べるという点では、どのやり方も大きな違いはありません。でも特に口元の変化まで考えた場合は、裏側の装置やマウスピースはやや不利、もしくは多少煩雑なメカニズムが必要ということになることがあります。しかし、これはその方の骨格の状況にもかなり依存しますので、私の場合は患者さんが口元の変化も希望され、かつ見えない装置を希望される場合は、骨格の状態を確認させてもらってどの程度の改善が可能かというめどを立ててから再度相談させていただくことが多いです。現在の私のスタンスとしては、マウスピースでは口元は改善しないことが多い。裏側でやりたいが口元を改善したい場合は、下顎には透明なブラケットを表側に使い、上顎にはリンガルブラケットを用いるという形を提案させていただくことが多いです。

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