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歯科矯正用アンカースクリューかヘッドギアか

 繰り返し出てきますが、私は矯正治療の目的は 歯並び 咬み合わせ 横顔をきれいに の3つの目的があると考えています。この3つを達成するにはヘッドギアもしくは歯科矯正用アンカースクリューの使用は不可欠な場合がほとんどと考えています。実際、永久歯列の治療でこのどちらも使っていないというひと患者さんは私の患者さんでは、ほとんどいません。とくに横顔をきれいにするということを考えた場合に、この2つの装置は非常に有用な装置となります。

 矯正医がヘッドギアも歯科矯正用アンカースクリューも用いずに顔貌の改善にとりくむのは、よほど条件が揃わないと難しいと思います。もしヘッドギアも歯科矯正用アンカースクリューも使用しないという診断が出た場合は、矯正医が真剣に横顔の改善もしくはキープを求めていないか、患者さんが横顔の改善もしくはキープを望んでいないかのどちらかである可能性が高いです。

 横顔の改善という治療の目的は、患者さんの希望次第で取り組むかどうかを決めて良い部分です。患者さんが横顔は良くならなくてよいからヘッドギアもスクリューも使わないということであれば、ヘッドギアやスクリューを使わない治療で横顔以外の治療がしっかりとできるということであれば、患者さんの希望にそってよい部分かとも思います。でも、当院ではやはり横顔は改善したいという患者さんが多いですし、どうせ矯正やるのであれば横顔が良くなるほうが良いのではないですかと私もお話させていただきますので、どちらかを使うという患者さんが主流です。ただし今ある良い横顔を悪くしてしまうということは避けたいと私は思っていますので、その場合は強くこのことを患者さんにはおすすめします。

 歯科矯正用アンカースクリューは数年前の認可以来急速に普及がすすんでいます。用途としてはヘッドギアの代替となる装置です。2015年現在、当院でも約30%くらいの人が使用しています。使用を躊躇する人は「怖そう」とか「痛そう」という不安を口にしますが、実際やってしまうとどうってことはないというのが大方の感想です。ヘッドギアをしっかり使ってくれれば、歯科矯正用アンカースクリューを使わないと治らないという症例はないと考えています。ヘッドギアはどれくらい使う必要があると考えているかというと、簡単な症例では1日8時間、難しい症例では10時間というのをひとつの目安にしています。使う時間は連続でなくても構いません。でも使用が大変、面倒だ というのはヘッドギアの最大の弱点ですので、このヘッドギアを使わなくて良いというのは歯科矯正用アンカースクリューの患者さん側からの利点で、矯正治療を楽にする要素となると思います。一方で矯正医からも患者さんがヘッドギアをしっかり使うかどうかに治療の成否が関わりませんし、使いようによってはヘッドギアを24時間使うのに匹敵するような力の適用が可能になるので大変便利な装置です。

 でも歯科矯正用アンカースクリューにもいくつか弱点があります。なかでも一番の問題は安定して植立できず抜けてきてしまうということです。骨の表面には皮質骨という薄いけれども硬い部分があり、この部分にスクリューのネジが嵌合することで植立状態が維持されるというのが最近の考え方です。この皮質骨が薄すぎる場合などは支える部分の強度が足りずにスクリューに動揺が見られたり脱落することがあります。この脱落をいかに防ぐかというのは、今後の課題であると思いますが、現状5~20%の脱落率というところと思います。

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