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楽器と矯正治療の関係について2

 金管楽器の演奏を仕事にされる患者さんが、矯正を希望して見えました。技術的には自信を持たれている方で、「おそらく装置をつけても、上手く奏法を調整すれば自分は大丈夫だと思う」とおっしゃっていました。その方は多くのファンがいる演奏家ですし、私の先輩も大ファン。そういう方が矯正装置のおかげで充分な演奏ができなくなっては多くのファンの方が困りますし、私も困る。そしてお仕事としてやられているご本人も困ります。

 そこで私は仕方なく「とりあえず次回楽器を持ってきてください。とりあえずつけてみましょう。昼休みに診療室で楽器を吹いて構いませんので試してみてください」といいました。私もアマチュアではありながら楽器を当時で30年くらい矯正治療も20年程度経験を積んでいるところですが、吹けるわけないと思いました。

そして案の定「先生、これはやっぱり無理です」と30分ほど試したあと患者さんは観念(笑)しました。

 

 このことから言いたいのは、矯正装置が楽器を吹くということに全く影響を及ぼさないということはないということです。でも、演奏レベルがそれほど高く無い段階では、矯正装置をつけていることによる影響はあまり明白に出てこない可能性はあります。その後の上達に影響がでてくる可能性は否定できないとも思いますが。

 

 実際には楽器によっても影響度は違います。吹奏楽の楽器で最も影響がないのは、当たり前ですが吹く楽器ではない打楽器、コントラバスです。吹く楽器であれば、フルートサックス、クラリネット、オーボエ、ファゴットチューバ、トロンボーントランペット、ホルン

の順に影響が小さいと思います。ただしこれには個人の感じ方の違いが大きいと思います。かつて音大でフルートを専攻した方の治療をした際には、やはり吹きにくいとおっしゃってました。

 

 装置を表側につける場合は、やはり金管楽器の方が影響は大きくなります。マウスピースが小さい楽器のほうがより影響は大きいと思います。マウスピースとは唇に直接触れる部分のパーツのことです。自分のやっている楽器の例で恐縮ですが、例えばホルンの場合、マウスピースの大きさはメーカーによっては0.25mm刻みで違う製品を販売しています。0.25mmの違いを演奏する際に感じられるからこそ、そういう製品があるわけです。このことを考えれば歯につける装置がどの程度大きな影響があるかというのは、ある程度想像がつくのではないでしょうか。

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