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楽器と矯正治療の関係について3

では、実際に楽器を吹くという場合はどのように対応するのがよいでしょうか?私は選択できる方法は3つあると考えています。

 

1:治療開始時期を遅らせる。

吹奏楽部に入る中学校入学や、鼓笛隊にはいるような小学校高学年という頃は永久歯が生えそろう時期と一致することが多く、いわゆる第二期の矯正治療を始めるタイミングと重なることが多いです。しかし、永久歯が生えそろったのと同時に治療を必ずしも始める必要があるかというと、そうでもないことが少なくないというのはここまでも取り上げてきている話です。したがって、中学入学頃に矯正治療を始める、そして、吹奏楽もやるかもしれないという場合、中学卒業まで矯正治療開始を先延ばしにするのもひとつの方法です。もちろん高校に行っても楽器を続けるということもあるかもしれませんが、それはその時に下に述べる方法で治療を考えればよいことです。ただし中学生の方が、より治療にとって有利な場合というのも存在しますし、また通院が容易かどうかなど、治療への協力性を考えると中学生で治療を始めてしまった方が良いと考えるご家庭も多いですので、そのあたりのメリットとデメリットをご家庭でよく相談されるのが大事だと思います。

 

2:装置を外側につけないで行う。

前項で例にだした演奏家の方の場合、裏側からの装置で矯正を行いました。治療中は以前と同様に仕事を続けておられます。ただ裏に装置を付けたためいわゆるタンギングというテクニック(音の発音や音を切るさいに使う)には少し調整を要したとのことです。個人的な推測ですが、トロンボーンやチューバに比べると、同じ金管楽器でもトランペットやホルンの方が裏側の装置の影響は大きいかもしれません。でも、マウスピースを唇に当てる際の痛みや違和感は軽減されるはずです。またクラリネットやサックスの場合は、上の歯の裏側の装置はかえってじゃまになることがありますので、下の歯には裏側の装置、上の歯には表の装置というのもよくやる方法のようです。当院はなぜか金管楽器の方のほうが多いので、私自身はこのパターンの経験はあまり多くはありません。また最近はマウスピースタイプの取り外し式装置の使用というのも選択肢になります。このタイプの装置は楽器を吹く時は外してしまえば全く普段と変わらないので、演奏にはほぼ支障はないと思います。しかしマウスピースタイプの装置自体のデメリットはありますので、そこをどう検討するかということになります。尚、この装置を装着したままの状態で演奏するのはかなりしんどいようです。歯列の内外の密閉が高まるので負担が高まるのではないかと思います。

 

3:アタッチメントを使う。

外側の装置でも装置の上にカバーする目的のものがあります。それを使うことで「全然普通に吹ける」という感想をもつ患者さんもいます。このようなものは、今まで何種類か試しましたが現在使用しているものは随分と評判がよいです。おそらくはたまたま私の使用している矯正治療装置との大きさがあっているのか、フィット感も高く演奏中に取れてきてしまうということもないようです。しかし、これでも矯正装置がついていない状態と全く同一なのかというと当然そんなことはありません。

 

装置の影響というのは楽器を吹く環境のレベルが高いほどシビアになってきます。もしかするとそれを克服するような努力を行えば、その影響は小さくなるのかもしれませんが、矯正は2年程度たてば装置が外れてしまいます。装置がついている状態で吹く努力をすることが、矯正治療後に良い影響がでるのか、悪い影響がでるのかはわかりません。もしかすると装置が外れることは、環境としては吹きやすい環境になるので、装置がついている状態で適応するための努力はマイナスにはならないかもしれませんが、必ずこうなるよということはなかなか難しいように感じます。また最近耳にした話ですが、矯正治療後は前歯が動くことで当たり方が変わるので楽器のマウスピースを変えたいと感じる人もいるようです。

 

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