歯科矯正における歯面処理について

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歯科矯正における歯面処理について

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矯正歯科における歯面処理とは、歯に矯正装置をつける工程の一つであり装置が取れてしまわないように行う重要な処置です。しかし、歯面処理を行っても歯から装置が取れてしまうことがあります。当医院では、取れてしまう頻度や患者様の口腔内環境によって歯面処理に使用する薬(歯面処理剤)を使い分けています。

 

歯面処理剤は接着効果を高める

当医院で使用する歯面処理剤は、装置をつける歯面に塗ることで酸によって歯のエナメル質、象牙質の表面が少し溶けて凹凸を作ります。そうすると接着が強化され、歯とセメントが強固にくっつきます。しかし、歯面処理した歯はむし歯になりやすいのでブラッシングが重要です。フッ素入りの歯磨粉やフッ素入り洗口剤(オラブリス)を併用していただくとむし歯予防に効果的です。

 

装置が何度も取れてしまう場合

しっかり接着しても装置をつけた位置や咬み合わせ、歯の質、固い物を強く咬んだりすると歯から装置が取れてしまうことがあります。同じところにつけた装置が何度も取れてしまうと治療の進行に影響が生じ、付け直しに来院する頻度が増えて患者様への負担も出てきてしまいます。付け直す際は通常使用している歯面処理剤を改めて塗るか、またはより強い歯面処理剤(エッチング剤)を使用するかを検討します。

強い歯面処理剤と聞くと不安に思うかもしれませんが、これは矯正治療の他にもむし歯治療の際に行う詰め物や補綴物(被せ物)など、様々な歯科治療において広く使用されています。この処置を行うことで歯科材料との接着性、耐久性が維持され、歯科治療の効率が向上します。

歯面処理剤の使い分け

参考にしているのは、以前のコラムでご紹介した唾液検査の結果です。特に酸性度と緩衝能(酸に対する抵抗力)に着目します。どちらの評価が悪くてもむし歯になりやすいと言われています。なぜなら、酸性度が高いと口腔環境が酸性になり歯面が脱灰しやすくなり、また緩衝能が低いと酸を中和する働きが弱くなるからです。エナメル質は歯を覆っている非常に硬い層なので強い処理剤を塗っても耐性がありますが、酸性度が高い、緩衝能が低いという口腔環境の患者様には強い歯面処理剤を塗った後のむし歯予防として塗る薬がありますのでご安心ください。装置が取れる頻度や口腔内環境によって患者様とご相談の上、適切な歯面処理剤を選択し、治療にあたってまいります。

歯科衛生士 安居院

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