矯正治療で使う急速拡大装置について

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矯正治療で使う急速拡大装置について

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当院では最近、急速拡大装置を装着する患者さんが増えてきました。そこで今回は急速拡大装置についてお話させていただきます。

急速拡大装置は上顎の歯列の幅を横に広げる固定式の装置です。永久歯のスペース不足の改善、上下の顎の横方向の成長を促してくれます。

上顎の天井の骨は左右の骨から出来ていて「正中口蓋縫合」というつなぎ目によってつながっています。子供の場合このつなぎ目がまだ完全にくっついていないため、急速拡大装置で広げることで顎の横幅を広げることができます。適応時期はつなぎ目が自然と開くことの出来る成長期に行うとよいとされています。

大臼歯にバンドという輪っかをつけ小臼歯は太いワイヤーで固定します。装置の真ん中にスクリューが付いていて、スクリューにあるネジ穴にネジを差し込み回すことで装置が広がって行きます。ネジは1日2回保護者の方に自宅で回していただきます。固定式なので患者さん自身で外すことは出来ません。違和感が強く、食事や話すのに多少影響があるかもしれませんが1週間で慣れてきます。学校のない夏休みや冬休みなどの長期休暇に装置を装着することをおすすめしています。

順調に拡大がすすむと、前歯と前歯の間に隙間ができてきますがこれは一時的なもので、徐々に隙間は閉じてきます。拡大を終えると広がった幅を安定させるためにネジ穴を塞ぎ、骨がしっかりできるまでの約3カ月間は装置をつけたままにします。その後は患者さんによりリンガルアーチに変更したりなど治療内容が異なってきます。

急速拡大装置で広げることにより鼻腔も広がり鼻呼吸がしやすくなり、鼻づまりやぜんそくの改善・いびきの軽減などもあるといわれています。

歯科衛生士 冨田

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