症例詳細
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17歳女性(高校2年生)「顎変形症下顎前突と開咬」を外科手術を併用して治療した症例
年齢 | 17歳 |
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性別 | 女性 |
主訴/ニーズ | 前歯のかみ合わせを改善したいとご相談いただきました。 |
診断詳細 | いわゆる開咬という前歯が噛み合っていない状態と、下顎前突や受け口といわれる状態が併存している状態の患者さんでした。 特に開咬については下顎では一番奥の歯しか噛み合っていない状態で、かなり重度な状態といえます。また上顎は八重歯が左右とも確認できました。 下顎については前歯4本のうち左が一本先天的に欠損していましたので、このまま手術をしても噛み合わせをしっかり仕上げることできません。 そのため、抜歯をする必要があります。かみ合わせの原因である骨格性の問題は極めて重度であるため、外科手術を併用して矯正治療を行うこととしました。 |
治療内容 | 開咬、下顎前突については骨格的な要因が非常に大きかったので、外科手術の併用をすることとしました。また上顎の八重歯に関しては歯を並べるのに抜歯が必要でした。 また、下の前歯が生まれつき無いために、治療後のかみ合わせを十分の考慮する必要があります。今回は、歯の大きさの上下の比を考えて抜歯する歯を選択する必要がありました。やや変則的ですが上顎の左右の側切歯(前から2番目の歯)と下顎の右の側切歯を抜歯して治療することにしました。 矯正治療を開始してから1年10か月後に近隣の口腔外科で手術を行いました。外科手術としては、上顎の幅を広げる手術と上顎を前方に移動する手術、下顎を後退させる手術を同時に行いました。入院は10日ほどとなりました。 退院後は、噛み合わせを整えるための矯正治療を1年ほど行いました。また、手術で使用した骨を止めておくプレートを取り除く際に、オトガイ形成の手術をおこないました。 |
費用 | 顎変形症治療のため、健康保険適用となります。 |
期間 | 2年11か月 |
院長コメント | 患者さんは元々学校の歯科検診で不正咬合を指摘され来院しました。中学生のときでしたが、その後高校生になるまで成長観察を行い、治療に移りました。 上顎の手術も少し複雑な術式でしたが、口腔外科とも良い連携がとれて、非常に良好な結果がでました。咬合は緊密に維持されており、側貌についてもオトガイ形成術を追加で行い、より良い状態となっていると思います。 |
治療のリスク等 | ・歯を動かす場合、舌癖が出現して噛み合わせが安定しないときは舌癖のトレーニングが必要になります ・歯を動かす場合、まれに歯の根が短くなることがあります ・歯を動かす場合、噛み合わせが変わるため、まれに顎の関節の音がしたり痛くなることがあります ・歯みがきが悪い場合はむし歯になることがあります ・保定装置を入れていない場合は歯並びは元の状態に戻ることがあります ・親知らずが生え、歯並びを押して悪くする場合は抜歯する必要があります ・下の前歯が少し内側に傾斜し、おとがいの突出感が残ります ・舌癖が治らない場合はかみ合わせが安定しにくいことがあります ・舌癖が治らない場合は上下の前歯の間にスペースが開くことがあります |
治療中
左下の2番目の歯(側切歯)がないので、上顎両側、下顎右の側切歯の計3本を抜き、結果として、側切歯が4本ないという形で矯正治療を開始しています。
治療後2年2カ月経過
保定2年2か月後では、下顎前歯部にわずかに後戻りが認められますが、咬合に関してはとても安定しています。手術前より舌癖改善のトレーニングを行っており効果もでていることが伺えます。
この症例では下顎の前歯がなかったため、上下の前歯4本を2本にするという治療を選択しました。この方法は前歯が生まれつき無い患者さんに対してはよく選択する方法ですが、2番目の歯の位置に並べることとなる犬歯の歯肉退縮が起こることがあり、この症例でも残念ながら歯肉退縮がやや進んできています。
院長
高橋 滋樹世界でもっとも伝統があるTweed philosophy(ツイード・フィロソ フィー)に基づく治療を実践。2015年には、アメリカのTweed philosophyスタディコースでインストラクターを取得し、ツイードテ クニックをマスターしています。